- 社債BACKLOG 2006年10−12月
-
- 12月29日
- ★ 公募債新発 なし(サムライ債を除く)
- 12月22日
- ★ 公募債新発 なし(サムライ債を除く)
- 12月15日
- ★ 公募債新発 6銘柄700億円(サムライ債を除く)
- 振替債への制度移行により、14日の条件決定でも、払込は22日と天皇誕生日前。最後のスパートを見せる起債市場である。A格からBBB格の低格付け銘柄ばかりである。もっとも、機関投資家の多くが、既に一般債については動きが鈍くなっているようだが。
注目したい銘柄は、アーバンコーポレイションである。格付けが、JCRのBBB−格と、ほぼ下限に張り付いている。同社は、広島に本拠を置く新興の不動産会社である。特に、証券化商品に注力し、不動産ファンド(公募・私募)を運営する子会社を有する。特定地域の地価水準に日銀が懸念を示しており、近い内に短期金利の引上げが確実視されている中では、サラリーマン投資家では購入し難いである。ただし、3年という短い年限、2.96%という3%近いクーポンは、投資家の興味をそそる。3年間クレジットイベントが何もないのならば買っておきたい、という案件であろう。残念ながら、誰も確信は持てないのである。
- 12月8日
- ★ 公募債新発 14銘柄2,380億円(サムライ債を除く)
- 12月に入っても、ほぼコンスタントな金額の条件決定が続く。劣後債を含む銀行社債や財投機関債がロットを稼いでいるのであるが、低格付け債も複数登場してきている。
注目したい銘柄は、川崎汽船の7年4ヶ月債である。スプレッドプライシングで国債対比とした場合、払込から9年10ヵ月後の償還でも10年債と称しているのに、律儀なことである。既存のCBと償還タイミング(年度!)を分けたかったというのが発行体の意図であるようだが、なぜ8年債にしなかったか、まったく理解に苦しむ。月単位で償還が一致するならともかく、償還を2014年4月以降にすることに拘るよりも、償還タイミングでリファイナンスすれば良いのではないだろうか。それとも、7年後の財務状況が悪化する見通しで、市場からの資金調達が困難だということなのか? 歪な償還タイミングを選択するということは、そういった意味で、痛くもない腹を探られることになるのである。
- 12月1日
- ★ 公募債新発 17銘柄2,220億円(サムライ債を除く)
- 年末が近づいてくると、徐々に市場の動きが鈍くなっている。個人向け電力債とA格以下の低格付け債や、高格付けのメーカー系ファイナンス子会社の起債が目立つ展開となった。
注目すべきは、岩手銀行の起債。5年のシニア債と10年の期限前償還条項付き劣後債で、各100億円ずつ。銀行社債における劣後特約の意味合いを考えると、シニア債と劣後債の違いは、投資家にとって大きなものではない(発行体である銀行にとっては、自己資本比率規制についての向上という目的が、依然として厳然と存在する)。地銀については、当該地域における位置付けが、信用度合いを判定するのに大きな意味を持っており、しかも、初物ということで、投資家のニーズは集まったようである。なお、他に、アコムが3年債の条件を決定している。貸金業規制法の見直しや、過払金返還訴訟に対する引当等、消費者金融業態に対する風当たりは強く、格下げ方向での見直しを受けている最中の起債となったが、メガバンク・グループとの提携や慎重な起債運営、分厚いスプレッド等を評価した投資家も少なくなかったようだ。
- 11月24日
- ★ 公募債新発 13銘柄2,180億円(サムライ債を除く)
- 木曜日が勤労感謝の日で、金曜日に休暇を取ると、4連休になる週末で、大人しい週になるかと思いきや、ベアスターンズのサムライ債が出てくるは、それ以外の社債・財投機関債も多く登場した。電力債200億円、銀行社債600億円、財投機関債400億円と、主要三カテゴリーが多くを占めたが、メーカー等で複数年限の起債も多くなっている。
中でも悲惨な結果となったのが、関西電力の10年債である。長期国債第283回対比で+17bpsのスプレッドは、償還タイミングのずれを考慮すると、JGBイールイドカーブ対比+15bps程度でしかない。幾らスプレッドがタイトニングしている環境下でも、飛びつく投資家は少なく、レス販売が横行していた。発行額が200億円と少なめであったことから大事には至らなかったが、これが市場実勢と考えてもらっては甚だ迷惑であろう。
- 11月17日
- ★ 公募債新発 8銘柄1,720億円(サムライ債を除く)
- 実質的には、東芝の合計1,000億円の起債に尽きるといった感じの週であった。電力債200億円や財投機関債100億円といったものもあったのだが、全体に対して約58%を占めたのであるから、いかに東芝一社に注目の集まる起債市場であったかである。
今回の起債による資金使途は、原子力発電大手のウェスティングハウス買収に伴う借入れの借換えである。当初から4年債500億円、7年債と10年債を合わせて500億円という方針であり、結果を見ると、本来なら間に挟まれた年限である7年債が300億円で10年債を上回ったことで、今回の買収について、回収するには時間がかかるという投資家の認識が明確に浮き出たものと思われる。7年債のクーポンは1.88%で、金利の絶対水準としても魅力的ではない。7年債も10年債も、需要調査で提示されたレンジの中央付近でのプライシングとなったことは、総額1,000億円という規模だけの問題ではないのではなかろうか。まず、4年債から売れる展開であり、東芝ならびに日本の電機産業に対する投資家の危惧は、相当、深刻なものかもしれない。
- 11月10日
- ★ 公募債新発 20銘柄4,950億円(サムライ債を除く)
- 年に数度の大量起債ウィークである。前年の同じタイミングの13銘柄2,651億円を遥かに上回る実績である。内訳は、電力債700億円、銀行社債900億円、財投機関債1,610億円と主力3業種で3,210億円と約65%を占める。しかも、前年は消費者金融が3本300億円入っていての数値である。
ファンダメンタルズの指標が思わしくない中で、全般的に金利低下傾向・懸念が充満しており、特に高格付けゾーンの起債について、スプレッドが低下傾向にある。JR債(東海)・三菱東京UFJ銀行・。電力債(東北)についても、一層タイト化している。財投機関債についても、公営企業金融公庫の10年債を見ると、8月下旬のローンチでは国債対比+33bpsにまで拡大したものが、今回は同対比+27bpsとなっている。しかしながら、投資家の需要が強いからと言って、金額を無秩序に増加したり、スプレッドを極度にタイトニングさせると、投資家の買いの手は簡単に縮こまってしまうだろう。当面、経済指標は景気にネガティブなものが続いているが、長期債の保有期間という長い目で見れば、誰もが金利上昇すると思っているのである。
- 11月2日
- ★ 公募債新発 2銘柄170億円(サムライ債を除く)
- 週末に三連休を控え4営業日しかない週は、月末・月初をまたぐタイミングでもあって、活気のない起債市場となった。翌週には、大量の条件決定が予定されていることから、嵐の前の静けさといったところだろうか。
ポケットカードの3年債は、BBB+(JCR)格である。しかも、貸金業法案の与党合意を受けて、JCRが格付けをネガティブのクレジットモニターとしていたことから、実質的には、BBB格以下というコンセンサスだろう。折しも貸金業法案の国会審議や過払い返還請求の引当強化等で、個人対象のノンバンクには極めて厳しい環境なのであるが、3年と言う短い年限とスワップ対比+135bpsという分厚いスプレッドでクーポンが2.41%となったこともあって、投資家の購入意欲は強かったようだ。スプレッドを求める投資信託や年金運用の投資顧問会社が主な買い手と思われるが、クーポンの絶対金利水準を評価した財団等の諸法人も食指を伸ばしたようである。条件決定のタイミングとしては、やや環境や投資家に対する配慮を欠いたと見られるが、買い手がいたのだから仕方ないというところか。
- 10月27日
- ★ 公募債新発 7銘柄2,010億円(サムライ債を除く)
- 下期入りした起債市場は、今一つ盛り上がりに欠けたまま、決算発表シーズンに突入。2,010億円の金額も、内訳は銀行劣後債が3銘柄で1,300億円を占めており、財投機関債2銘柄510億円を除くと、残りの案件は小型ばかり。メーカー等一般の事業債のニーズが積み上らないところに、資本市場の問題があるように思える。
三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の劣後債については、一般債全般が品薄という環境に支えられたのみでなく、メガバンクによる長期固定型の劣後債供給が暫く途絶えていたことで、投資家のニーズを強く集めることとなった。そもそも、メガバンクが主に発行する10年以上の満期一括償還型の劣後債については、債券の市場インデックスに含まれることで、年金等のインデックス投資家のニーズが期待できる。また、シニア債に単純に劣後プレミアムが乗ったという構造は、他の投資家から見ても手が出し易い。銀行において、シニア債と劣後債の破綻時回収可能性に、どれだけの差が存在するかを考えると、時価の問題を除けば、シニア債を選択する意味合いは、小さいのである。
- 10月20日
- ★ 公募債新発 10銘柄4,160億円(サムライ債を除く)
- みずほコーポレート銀行の1,500億円と、日本高速道路保有・債務返済機構の2本1,300億円がロットを稼いでいるる。もっともそれ以外にも、トヨタファイナンスとJR東日本といった高格付け銘柄が2本立てて登場しており、比較的高格付け銘柄のウェイトが高い展開となっている。
みずほコーポレート銀行は、金融債から普通社債にシフトしてから3回目の起債。初回に現場で見られた起債運営の混乱は、ようやく順調に行えるようになった模様。もっとも、1,500億円の大ロットは常に諸刃の剣で、流動性の高さの裏腹は過剰供給リスクである。足元のような一般債の品薄局面では、投資家の購入意欲も強いが、地方債の個別条件化等によって、競合する発行体は少なくない。年限の分割や起債タイミングの工夫等、発行体の知恵を有効利用することを考えるべきではないか。18日の水曜日は、みずほコーポレート銀行、トヨタファイナンスとJR東日本合わせて2,400億円という巨額のローンチであったが、下期入りした投資家の購入余力はまだ大きいようだ。この後、半期決算発表を意識して、事業債の条件決定はやや低調となる可能性が高い。
- 10月13日
- ★ 公募債新発 6銘柄1,560億円(サムライ債を除く)
- 下期入り後すぐの三連休明けで、起債市場の動きは引続き鈍い。昨年までと比べると、3〜4割程度ローンチ額が少ないというイメージなのだが、昨年の三連休明けは3,400億円で、今年の倍以上であった。政策投資銀行が今年度前半に動けなかった分、800億円と1回あたりとしては多めの条件決定を行っているが、他の財投機関債の動きが遅いように思える。
具体的な案件としては、今年になって格上げになった銘柄が多く、また、起債運営面では、単独主幹事引受案件や、募集段階での発行額上積みといった事例が目立った。中でも、政策投資銀行の当初予定300億円から最終800億円への倍以上の増加や、スルガコーポレーションの50億円予定から110億円、伊藤忠商事の100億円予定から150億円への増加と、顕著な金額の増加が目立っていた。下期に入った投資家の社債購入意欲の高まりと、想定を下回る起債条件決定ペースとで、やや品薄になっているようである。ただし、次週は、銀行シニア債(1500億円予定)に加えて、高速道路財投機関債(計1300億円程度か)もローンチ予定となっており、今後の需給環境の変化には注目したい。
- 10月6日
- ★ 公募債新発 6銘柄1,163億円(サムライ債を除く)
- 下期入りした起債市場であったが、出足は全般に鈍い。電力・銀行・財投機関とフリークエントイシュアーが第一週から登場しているものの、タイミング・金額ともに分散している感じで、金額は積みあがっていない。銀行社債500億円はともかく、電力債100億円・財投機関債63億円といった水準では、市場に活況さが乏しくても已むを得まい。
注目銘柄としては、中国電力と三井住友銀行であろう。前者は、10年電力債で久しぶりに国債対比+19bpsと7月以来続いてきた+20bpsの壁を下回っていることに注意したい。今後登場してくる電力債も同様の水準なのか、それとも、100億円という小型起債ゆえに可能となった水準なのか。需給は良好に見えることから、当面の基準になってくるかもしれない。後者については、国債対比スプレッドが+24bpsと、9月の三菱東京UFJ銀行5年債と同水準である。格付けは、三菱東京UFJ銀行がAA(JCR)格で、三井住友銀行がA+(JCR)格と2ノッチの差が存在する。公的資金の完済といったプラス材料はあったものの、傘下の消費者金融業の問題もあり、決して銀行セクター全般にポジティブな状況ではないが。
Page Topへ
|