- 社債BACKLOG 2007年1−3月
-
- 3月30日
- ★ 公募債新発 2銘柄300億円(サムライ債を除く)
- 期末を挟む起債は、投資家の需要が読み難い。今年は来ないかとも思ったが、タイミング云々を厭わない、ノンバンクと個人投資家向けである。
アコムの7年債は、2週間前のプロミスとほぼ同様の起債である。異なるのは、主幹事の単独引受案件であることで、金額が100億円と半分であることくらい。格付け・年限が同じで、スワップ対比のスプレッドは+52bpsと4bpsのタイトニング。そもそもクーポンは、3bpsとわずかな上昇である。両方から7年のスワップレートの変化を推計すると、たった7bpsの金利上昇となる。2週間で上下あったとは言え、金利市場全体の動きが横這いトレンドにあることを象徴している。ソフトバンクの個人投資家向け債は、「福岡ソフトバンクホークスボンド」と愛称が付されている。募集期間は4月2〜25日。プロ野球の開幕に合わせたタイミングであるが、機関投資家は手を出し難い発行体で、個人投資家を当て込んだのは、取組としては面白いだろう。ただし、プロ野球団はソフトバンクの中では、小さな一部にしか過ぎないのだが。3年後という社債の償還時点に、ソフトバンクはどう変化しているだろうか。折りしも、イー・モバイル社が新たな携帯キャリアー(当初はデータ通信のみ)として、登場したところである。
- 3月23日
- ★ 公募債新発 なし(サムライ債を除く)
- 3月16日
- ★ 公募債新発 14銘柄3,130億円(サムライ債を除く)
- 銀行債はないものの電力債500億円・財投機関債900億円に加え、野村ホールディングスの5年債及び10年債計1,000億円といった巨額の起債によって前週を上回る金額となった。
今年度外部調達が難しかった消費者金融等ノンバンクが、駆け込みで起債しているのが面白い。アイフルが5年債100億円・NISグループ100億円・プロミス200億円である。格付けはR&IでBBB−格からA格に分散しており、スワップ対比のスプレッドは+56〜+135bpsと大きく乖離している。NISグループのBBB−格という格付けは一般的な投資家の購入下限であり、厳しいところである。こういった銘柄について、外資系証券を主幹事とする少数シ団引受で発行するのは、セカンダリー市場で売却する可能性を考えると、本来は避けるべきなのではなかろうか。
- 3月9日
- ★ 公募債新発 19銘柄2,750億円(サムライ債を除く)
- 電力債はないものの、劣後を中心とする地銀の債券、それに高速道路と公営企業金融公庫と財投機関債が登場し、本数がやたらと増えた。ただし、高速道路債の他、不動産・不動産ファンド運用・建設といった社債を加えると、計1,000億円が近い業界なため、何となくバブルの匂いを感じてしまうのである。
不動産の中で、東京建物が5年債及び6年債各100億円の起債に注目したい。格付けはBBB+(JCR)格と決して高い評価ではない。主幹事である大和証券SMBCとみずほ証券の2社によるクラブディールであり、引受額は、両社とも各年限50億円ずつである。この起債で投資妙味を欠くのは、年限が5年債と6年債で隣接していることだろう。償還年限の分散を意識したものと思われるが、金利上昇を懸念しないのならば、3年債といった選択肢もあったろうし、むしろ投資家の層が厚い5年債を200億円とするのも一つの手ではなかったか。なお、3月に入って、動きが大人しかった野村証券が、急速に主幹事実績を伸ばしはじめている。特に、3月12日にはじまる週の事業債については、ほとんどの案件で野村証券が主幹事等として絡んでいそうだ。中でも、野村ホールディングス債は、今年度最後の大型案件になりそうである。
- 3月2日
- ★ 公募債新発 11銘柄2,500億円(サムライ債を除く)
- 銀行・電力・財投機関といった定例のカテゴリーだけでなく、メーカー・商社・ノンバンク・不動産と多様な顔ぶれが登場した週である。引続き、100億円が個人投資家向け社債である。
注目の銘柄としては、オリックスを挙げておきたい。一時期、購入する投資家の減少に苦しみ、外資系証券による小額単独主幹事案件に注力していたが、格付けの上方見直しトレンドを受けて、1月の個人投資家向けに続き、大ロットの起債である。最初は400〜500億円でマーケティングを開始したものが、最終的には600億円にまで膨らんでいる。リース会計の見直しは同業他社には強い逆風であるが、業務分散の進んでいるオリックスにとっては、大きな影響がないという見方も出来よう。なお、14日にローンチされた日本精工の5年債は、A−(R&I)格でスワップ対比+10bpsであったが、オリックスの場合にはA+(R&I)格なのにスワップ対比+27bpsである。業種の差やロットの違いもあるが、随分と置かれているシチュエーションが異なっているように見える。
- 2月23日
- ★ 公募債新発 4銘柄450億円(サムライ債を除く)
- 日銀の金融政策変更を意識したためか、前年の同じ週とは、全く異なり、寂しい起債量となった。しかも、うち200億円が個人投資家向け社債というのである。
昨年からの振替債導入により、年度内の条件決定は、3月中旬までずれ込む案件もありそうだ。高速道路関係の財投機関債や電力債等々、年度内の条件決定予定金額をレンジの下限で合算しても、まだ3,000億円程度は軽くありそうだ。
- 2月16日
- ★ 公募債新発 9銘柄1,650億円(サムライ債を除く)
- 日銀の金融政策変更に注目が集まる中、期末に向けた起債市場は低調である。銀行劣後債600億円とメーカー650億円に、ノンバンク400億円という業種構成である。
トヨタファイナンスの2本立て(4年債及び7年債各200億円)は、S&Pおよびムーディーズから最上級の格付けを取得していることもあって、国債対比スプレッドは4年債で+10bps、7年債で+12bpsと極めてタイトな水準となっている。発行額はマーケティング開始時点での想定上限に張り付いたが、決して投資家の購入意欲が強かったというものでもないようだ。ただし、金融政策の変更可能性を考えると、中期債は押し目買いしやすいかもしれないのであるが。
- 2月9日
- ★ 公募債新発 17銘柄3,788億円(サムライ債を除く)
- 期末に向けた劣後債の発行や年度計画消化の財投機関債等で、銘柄・金額ともに多い。電力債はないが、銀行社債1,320億円と財投機関債418億円が巨額で、その他に、商社・ノンバンク。また、メーカーや公益セクターと様々な銘柄が登場している。
この週の中では、地味だが神戸製鋼所の2本立てが面白かった。重厚長大産業は円安とM&A期待とで、株価が好調。金融政策の変更期待が低下したこともあって、投資家の購入意欲は強い。当初、両年限とも100億円以上といった形でスタートしたマーケティングは、最終的に各250億円に膨れ上がった。暫くメーカーの起債意欲を上回る感じで、投資家の購入意欲が正面に現れそうだ。
- 2月2日
- ★ 公募債新発 9銘柄1,145億円(サムライ債を除く)
- 10年長期国債の入札もあり、様子見の週。財投機関債300億円及び銀行劣後債125億円の他は、様々な業種の分散傾向にあった。
アコム債の5年150億円は、起債関係者なら、こんなものと思うかもしれない。グレーゾーン金利問題に焦点が当たった後、消費者金融業の社債は、こういった形での外資系単独主幹事案件が中心となっている。しかも、主幹事実績を欲しがっているような特定証券会社である。R&IがA格を維持したものの、条件決定当日(条件決定後)にJCRは同社をA+格からA格に格下げしている。主幹事証券会社の起債運営について、大きな問題があると言わざるを得ないだろう。
- 1月26日
- ★ 公募債新発 12銘柄2,870億円(サムライ債を除く)
- 財投機関債が、2年債から40年債まで多彩で、合計1,920億円。電力債と電源開発債とで500億円で、高格付銘柄中心の展開である。
高格付債のスプレッドは行き着くところまでタイトニングしたか。中部電力の国債対比+13bps(償還タイミングを考慮すると+12bps程度)は、電源開発債の同対比+13bpsともども、消化に苦戦。投資家の購入ニーズが強いといっても、限度がありますね。
- 1月19日
- ★ 公募債新発 12銘柄4,030億円(サムライ債を除く)
- 金額の多さは、みずほコーポレート銀行の1500億円5年債の他、多くの銘柄がマーケティング段階で増額となったため。電力債・財投機関債も着実に金額を積み上げている。
この週の注目は、総合商社。双日・伊藤忠商事・三井物産と揃い踏み。三井物産は、昨秋に水準が合わなくて見送ったディールのリターンマッチ。双日も格上げトレンドの中で、徐々にスプレッドがタイトニングしている。増額とタイトニングで、投資家の債券購入意欲の強さを、まざまざと見せ付けられた週であった。
- 1月12日
- ★ 公募債新発 3銘柄800億円(サムライ債を除く)
- 日銀の金融政策決定会合を控えて、起債市場のスタートは遅い。もっとも月曜日が祝日で、しかも火曜が10年長期国債の入札に加えて、その後に地方債の個別条件決定があることを考えると、社債や財投機関債の出番は遅れがちとなる。
唯一の機関投資家向けは、JR東海の10年債。国債対比+14bpsとタイトなスプレッド。投資家のニーズは強いと言うが、単なる新規起債の再開によるものなのか、例え金融政策の変更があっても長期金利への影響はほとんどないと考えての買いなのか、見極めが必要である。
- 1月5日
- ★ 公募債新発 なし(サムライ債を除く)
Page Topへ
|