火曜日までに前週分アップ。それぞれの日付は、アップデート対象週の金曜日です。 アップをお休みしていて申し訳ありません。 2007年11月以降分、スタイルを変えてアップしました HOMEへ 社債へ
5/23
週初
  • 米株は、先週一週間を通じてみれば結構ポジティブトーンでしたが、一日の動きを見ると日中の高値更新を後場にかけて取り戻し終わってみればトントン(かちょっとプラス)という展開が続いていて、決して買い上がる感じではありません。月曜日も、リーディングインディケーターがよく(とはいえ株価コンポーネントが押し上げた要素も大きいので自家中毒的なロジックですが)、朝方は堅調、後場で戻し。
  • この堅調ぶりはどういうことなんでしょう。コンセンサスとしては、非金融部門の企業収益が悪くないこと、消費の落ち込みや雇用の悪化が年初来に恐れていたほどの規模ではないこと、などでリセッションが浅く短いものであり、これまでのワイルドカードであった金融システム不安がもはやないことから、先行きの景気の回復を織り込んで買い、ということなんでしょうね。ふむ。ここのところ主体別売買動向で外国人投資家の買いが続いていることもあり、中東マネーの日本株買いの噂は絶えないですね。買いの理由として、「日本の産業はエネルギー効率がよい」というのも挙げられているそうですが、昨年夏来、常識的にまかりとおっていた各種評価軸が揺らいでいることを考えると、エマージングの高成長ストーリーへの疑義(成長そのものは正しいとしてもインフラのサポートがないので高成長が維持できないというひっくり返し)も、今後ありなのかもしれません。
  • そんな中で、原油は最高値更新の連続。サウジの増産もたいしたことなく、アメリカの石油備蓄政策の修正がちょっとは効くのかどうか。景気低迷と相俟って、ドライビングシーズンの需要がどの程度逼迫材料となるかはよくわかりませんが。WSJのポッドキャストを聞いていたら、とうもろこし何とか協会の会長さんが、農産物の値上がりはもちろん見られるけれど消費者に与える影響は小さく(最終製品に占める農産物原材料価格割合は10―20%程度)、人件費だの燃料費だのの値上がりによる消費者物価指数の上昇を農産物のせいにされるのはおかしい、と言っていましたが、投機資金満載の世の中で、何が実態であるかを見極めるのは本当に難しいですね。為替と同じで、金融商品化されてしまったものはすべからく資金フローで価格決定されるようになる―尻尾が本体を振り回す―とすると、マクロ経済モデルなんていうものは全面的に見直しということにもなりかねないと思うこのごろです。
週央
  • 今週はばたばたですね。原油がどんどん上がって、米株はさすがに調整。OFHEO住宅指数も下がり、ファンダメンタルズ不安は残りますね。失業保険申請は減っているようですが…そんな中で、日本株は木曜日妙に強く、買いは大型投信設定とのことですが…???CDSは株以上に不安定な感があり、ずっと日米欧共にちょっとワイドニングしましたね。日本は、株が上がっても余り関係なく海外相場についていく感じでした。
  • ムーディーズのCPDO格付ミス事件。まだ詳細はよくわかりませんが、格付会社関係者がトークダウンしようとしているほど小さな話ですむかどうか。CPDOは残高こそそれほど大きくない(新しい商品なので)かもしれませんが、公表が遅れるなんていうのはもっとも厳しい展開ですよね。
週末
  • 一週間を〆てみれば、米欧株軟調。円高っぽい。その割には日本株はよくもったともいえるでしょうか?CDSが再度拡大を始めているので、ここの神経質さは気になりますね。タイトニングが急速であったことの揺り戻しが大半だと思いますが、居所を探しているうちにまた次のネガティブヘッドラインが出てくると面倒です。
  • 今週読んだレポートなどで印象に残ったポイント。米国地価下げはもともとまだら模様であったが、原油の上昇で周辺地域(outlying areas)の相対的な弱さがいっそう鮮明になる(通勤コストが上がるため)というのは説得力がありますね。二極化は、リスクリターン評価の正常化の現れともいえますし、そういう意味ではパニックから理論的なリスク評価に向かっていることの証左であるようなコメントなのかもしれません。
  • また、依然としてリスク感の拭えないモノラインについては、リスクを負っている契約の内容があくまでも「現行利払いの不足を補填する」となっている限りにおいては、弁済期限の利益消失⇒元本払い義務の到来というシナリオではなく、急速な手許資金の不足はないと考えるべきなのかもしれませんが、これから生き残りをかけて金融機関との支払い義務をめぐるバトルロイヤルも局部的に予想されるなど、ミニヘッドラインはまだ続きそうな気もします。
5/16
週初
  • 月曜日(12日)、中国四川省で大地震。被害の大きさが心配される一方で、阪神淡路の時もそうでしたが市場のネタとなることは避けられず、中国株はいったん下落したものの、火曜日には復興需要で重機関連株に買いが入るに至っては、金融市場で仕事をすることの業の深さを感じます。月曜日の日本株市場は閑散。CTAっぽい動きが見えたそうですが…火曜日(13日)の日本株はプラス。決算でよかった銘柄の買い。海外は、原油が127ドルに迫る高騰でしたが、金融下げ(BOAホームエクイティローンの焦げ付き拡大、B議長のネガティブ―正常化など)に対してIT・リテールなど上昇(アクティビスト・アイカーンのヤフー株買い、HPのEデータ買い、も材料に)。「買い材料探し」が続いている感じです。
  • ここまでの日本の企業収益ですが、開票率60%程度で、実績はやっぱり強めですよね。売上高計上利益率+7.0%、売上高純利益率+4.0%で事前予想からの下ぶれはほとんどナシ。来年度予想はさすがに下にふっており、売上伸び率は+3.4%、経常利益率+6.4%、純利益率+3.8%と08年3月期に比べれば低いものの、事前予想からの上ぶれ・下ぶれ率は50―50ぐらいとのまとめがあります。足許の「バリュエーション正常化買い」の勢いからすれば、例年低めに見積もるし、円高だけどこの位の数字が出てくるのなら全然オッケーと言うこともできるんでしょうか?
週央
  • 5/13日(火)に、S&Pが非投資適格債(BB格以下)の格付手法を、3―5年のスル―ザサイクルではなく手前2年ぐらいの状況を勘案したものとする、と公表しましたが、その中で驚愕(というか物を知らないだけかも)だったのは、社数ベースで現在の格付分布が72%BB格以下だ、ということ。確かにここのところレバレッジファイナンスの割合が増えていましたが、ここまでとは。これは社数ベースのデフォルト率急上昇は避けられないだろうなと言う気がいたします。金額ベースで言えば、格の高い社債残高が大きいでしょうからもう少しマシに見えると思いますが… 
  • 同日(13日・火曜日)、米国小売り売上高が予想比マシ。で、ドルがしっかりしてその流れを受けた14日・水曜日の日本株もしっかり。ここのところ、新興市場も含め、小型株のしっかりぶりが特徴的です。外人さんが買っているとの噂も。「しっかり腰の入った買い」ではないものの、それなりにポジティブな市場コメントも増えてきました。NTTストップ高。その一方で、JGBがぁ〜。
週末
  • 景気が悪いから買えないのか、皆が「景気が悪い」というときはすでに転換の見える底なのか。それが問題です。内外共に株は堅調、CDSはタイトニングであるという価格の流れに乗っかったストーリーにも読めるのですが、妙に説得力もあり。今週の日本株は〆てみれば月〜木の4連騰。円安(105円台)もあり、ソニー決算もあり。想定外の上げだったので「買えていない」向きも多いとのコメントもよくみかけます。その一方で、外国人買いの主力はCTAであり、長期資金の流入はまだまだ「お試し」程度とも。不安材料の残る中で、どこまで買いストーリーに乗れるか、というところでしょうか。チャートはちょっと過熱気味とも読めるようですね。
  • 木曜日の日本株は、前日米株堅調を受け、また、105円台の円安を好感して強め。ソニーが前日の決算で公表した業績見通し(いくつかの部門で黒字)を好感されて上げ相場を牽引したとも言われています(久々ですね、ソニーの上昇牽引!)。金曜日の日本はGDP予想比強めでポジティブトーンでしたが、終値ベースでは久々の反落(小幅)、利食い売りとも。アメリカは、ポジティブトーンの1週間をITとM&Aニュースが引っ張った感がありますが、利食いもこまめな感じ。バルチック・ドライがあらためて最高値更新。ダウ運輸株に注目する人もいるようですし、日本にもフリート指数的なものを見る発送がありますよね。流通がよいということは、やはり物がきちんと流れていることですよね…景況感とどう辻褄をあわせればいいんでしょう…。
  • しかし、この株の堅調ぶりにくらべてJGBは本当に不安定ですね。今週は、水曜日に続き金曜日もクラッシュ。本当にたいへんです。背景はいろいろな需給があると言われていますが、仲介・リスクテイクする主体の金融機関の現金不足はまだまだ続いているような気がします。
  • 最近特にそうなんですが、新たなヘッジファンドとかディストレスファンドとかの設立の話を頻繁に聞きますね。クレジット投資―証券化も含めて―のサルベージバイヤーは相当本格的に出てきているということなんでしょうね。デット的なレバレッジをつけるのはまだ難しいでしょうから、まずはエクイティ(レバレッジなし)の買いからスタート、でしょうか。これにデット系(銀行を含む)が付いてくるかどうかが、本格市場回復の鍵になるということなんでしょうね…クレデリ市場は先週不安定でしたが、今週は日米欧共にタイトニング。景気がおもったほど悪くならないんじゃないか、というのが唯一の好材料に思えますが、それだけでタイトニングしちゃうって言うのは買い圧力があるなあと感じざるを得ません。
5/9
週央
  • 3月17日を境に始まった「株上昇」「CDSタイトニング」の流れは続いており、こういう上昇相場が続くと必ず出てくるのが「リスクリターン正常化」論。理屈付けが始まると、暫くこの流れが続くんじゃないかなあ、と。で、このまま上昇トレンドになっちゃうかっていうと当然不安要因もあるわけで、そもそも前と何が変わったかっていうと大手米系金融機関のサドンデスがなくなったという「システミック・リスク」要因の除去。 ファンダメンタルズは当然不変なわけで、今後はそのファンダメンタルズを評価したレベルがどのくらいかっていう議論をしていくことになるんですよね。ということは景気後退の長さと深さ。うーん。ほんとにシステミックはなくなったのかしら。7日には、SECがウォール街の投資銀行に対し、資本と流動性水準の開示を義務付ける方針を打ち出し、これを受けて金融株が下落。開示を厳格化するとまだ追加が出てくるんじゃないか?というリアクションなんでしょうか。その割には、次々と欧州系が結構やばめの数字を出しているのには反応がありませんね。日本が連休でお休みしている間に、原油は上がり、中国株は下落。どういう風に影響を考えていけばよいんでしょうかね。原油はコスト高だけど日本はエネルギー効率がよく消費にも(もともとさほど強いとは思われていないし)大きなネガティブはなし、中国株はもし中国の国力を表象するものならやばいけどアジア域内での投資資金移動という観点なら日本株には有利?
  • 別件。5/7三井住友銀行のドル建て劣後債。世界的な金融機関の資本性証券発行大ブームの中で、さくっと18億ドル。結構な金額ですね。日本の金融機関にしてみれば、自分の財務はそれほど傷んでいないのに高めのコストになっちゃった、というところなのかもしれません。リパックで国内還流するのかな?
週末
  • 木・金と日本株は下落。トヨタの業績悪化(とは言え純利益は1.25兆円なんですが)が材料に。週末の米国市場では、AIGが前期に続いて相当な損失(最終順損失78億ドル)を計上したことが響く。シティは大掛かりな資産売却を今後順次行っていくと公表。とはいっても、市場全体に対する影響はやはり「システミック・リスク」を懸念していた3月前半までとはあきらかに違う反応で、下落幅も地味。「金融危機は去った」とする説にどこまで乗っかるか?クレジットは相変わらずサイドラインな相場展開ですね。
  • ここ数日のコメントに目立つのが、VIXの下落。需給では、アメリカでMMFに資金が大幅流入し、「待機」状態にあると言われています。これが買い出動すれば…ということなのでしょうが…
  • その一方で、CDSはちょっとふらふらしてきましたね。ネガティブヘッドラインとしては、投資銀行に対するSECの新たな規制プラン報道、原油上昇、金融機関赤字決算(欧州系)。日本は独自の要因がありませんが、インデックスだけがワイドニングして個別銘柄とのベーシスが開いたのを見ると海外インデックス連動ということなんでしょうか。
5/2
週初
  • 日本はGW。でも先週金曜日のJGB市場大荒れの残滓がそこかしこにある感じですね。CDS、株は穏やか。というかずいぶん穏やかですな…海外のクレジット関連ニュースは、悪い物が後を絶たないのですが、一時のようなシステミックリスク大懸念とか次から次へと新しい悪材料が出てくるとかという展開ではなくなったので、さすがに冷静になったということでしょうか。実体経済の本物の悪さは、今年後半に出てくる(デフォルト率の上昇)とすれば、今は小休止というところなんでしょうね。
  • で、リスクリスと。モノラインはまだ来るような嫌な予感がするんですよね。金融機関決算は欧州系にフォーカスが移りつつありますが、公募市場がどれだけ増資を支えきれるか。エンドインベスターの損失がそろそろ出始めているので、生保・年金がどれだけ傷んでいるか。特に年金は企業財務にもリバースする可能性がありますし。金融政策も材料になりそうです。
  • GW前半戦前の日本株市場はプラス。サブプライム問題はもう終わった、というフレーズを結構聞きますね。金融の上昇。
週央
  • 30日(水)、FOMCが0.25%の利下げ。一方でインフレ懸念の高まりも感じられ、今後の展開は注目。米株は、大雑把に言えば事前に上げておいて利下げ後は下げ、と言う感じでしょうか。東京では、相場全体とは関係ありませんが、「ニイウスコー」の民事再生。循環売買による粉飾決算があったようで、結構大手企業の名前が関連して挙がっています。もうひとつ。GSが三井住友の優先株保有分の3分の1を普通株転換。報道によれば、「ゴールドマンは今回取得した普通株を(株式総数の約2%)ヘッジ取引のために活用した借り株の返済に充当し、市場売却は予定していないという」って…もうとっくに売っていたってことですよね?
週末
  • 2日(金)、GW前の日本株市場は結構上がりました。14000円台回復ですね。これまでの低パフォーマンス銘柄の逆襲(建設とか銀行とか)?でも逃げ足も速いか?米国市場では、雇用統計。マイナス幅が縮小した(といってよいんだろうか…マイナスはマイナスじゃん)ことで、市場には好感される展開に。中央銀行の資金供給にもあらたなフェーズ。リスク資産価格が堅調なほどには、金融市場の緊張が緩んでいないと言うことなんでしょうね。さて、このカラーの違いをどう考えればよいでしょうか。
  • 米先物の上昇、関連する社会問題(暴動など)が話題になっています。食料品価格の上昇は、マクロでみてどうかということよりも、限界的にもっとも弱いパートから問題になっていくので相当人道的にキツイ展開が予想されます。これを金融の金余りが演出しているのだとすれば、やっぱり何か考えた方がよいのではないでしょうか。
4/25
週初
  • 21日(月)、先週の米株高を受けて日本株上昇。外国人買いの噂もあれど、海外をアウトパフォームするほどの勢いはなし。22日(火)、日本株はマイナス。ここまでの連騰 をちょっとお休みする感じ?もっとも、ここまでの上昇には出来高が伴っていないこともあり、本格上昇ではない!!というコメントもたくさん見かけます。
  • 野村證券社員のインサイダートレーディング発覚。M&A関連情報を知人に流した、との一報ですが、なんだか悲しいですね。これで債券も含めて一時的に野村向け発注が止まったりすると、市場流動性には結構影響があるだろうなあ…ただでさえ、市場仲介主体のリスクテイク余力が落ちてますからね…
  • 本日の気になるネタ。ヘッジファンドが仕掛けるみずほ株「売り攻勢」の暗雲…優先株の転換時期が7月に到来するみずほですが、相当な割合をガイジンさんがお持ちだとか。4月24日から30日間の終値平均で転換価格が決まることのヘッジとして、売り集中??ほんとに?
  • 本日の気になるレポート。株式市場の流動性が分割されている(取引執行システムが乱立している)ことのディメリットを克服するための証券会社内流動性プール。ダークプール、という単語も出てきたりしてちょっと勉強する必要ありですね。
週央
  • 23日(水)、日本株は若干プラス。堅調な背景として、公的の買い?なんて言われたりもして、不思議な感じです。
週末
  • 週を通してみれば、神経質ながらも株・CDS共に楽観モード。木曜日のNYでは、油が下がったと言っては買い、メリルが配当をすると言っては買い。そんなこと言うけど耐久財受注もぱっとしないし、新築住宅販売も落ち込んでいる。金融機関決算も、予想よりは…と皆さんおっしゃいますが損失は大きい。さて、どう見ればいいんでしょう?…などと言っているうちに、金曜日にはJGBが大変なことに。あちこちでマーケットコメントが出ている(割にはメディアであまり取り上げられなかったような気もしますが)ので、何が起きたかはそちらをご参照いただくとして、市場参加者のポジション調整はまだ終わっていなかったという例のひとつなのでしょうか。一族郎党総悲観状態だったので、さすがにいろいろ行き過ぎていたものが戻す過程で、ポジションの偏りが是正されていった…という感があります。さて、「正常化」の後には景気減速にどのように立ち向かうかということですよね。しかしこの油は…供給制約ヘッドラインを梃子に、資金が暴れまわっている感じですが…。
  • 日本の一般債市場は、キャッシュがとれると言う点ではグローバルな資金調達ニーズの避難場所(セーフハーバー)の感が徐々に出てきました。ユーロ円、サムライ共に、絶対額としては大きくないかもしれませんが大ぶりの発行が金融機関を中心に見られ、なんとなく資金調達最後の拠り所、という感があります。3月まで神経質だった日本の一般債投資家さんの動きも、高格付を中心に相当安定してきた感じ。このままファンダメンタルズの大崩がなければ、また「海外発行体」「ちょっと低格付」のリスクをとってリターンを上げようとするトレンドになるんじゃないでしょうか。
4/18
週初
  • 月曜日、日本株は思いきり前週NY株の影響を受けて下落。やはり来たか、ネガティブ決算の波…というところでしょうか。アメリカの月曜日もワコビア赤字でぱっとせず。今週はここから米銀決算が次々とあるので、一喜一憂になりそうです。
週央
週末
4/11
週初
  • 雇用統計を完全にシカトした感のある株式市場は、がんがん上がっていく感じこそないものの堅調。クレジットスプレッドもタイトニングです。 新しい「ポジティブ」ニュースはといえば、Wamu(ワシントンミューチュアル)の増資―50億ドル、TPGがはいっている!ついにプライベートエクイティファンド登場、ですね)―ぐらいなもんです。その一方で、SIVの最大手SIGMAの格下げや、モノラインの格下げ(FitchによるMBIA格下げ)もあり、マクロ経済指標も決して強くはないんですが… 大体既存株主に希薄化リスクのある増資で株も上がるっていうのがすごいですよね。ちょっと市場コメントを整理してみると、
    • 株市況回復派:リセッションにはすでに入っているが、大した景気後退度合いではなく、過去の平均値から10ヶ月程度で抜ける。すでにリセッション入りしてから2-3ヶ月経っているので後7―8ヶ月。株は先読みするのでもう上がっても良い。
    • クレジットはもういいだろう派:金融システム流動性リスクが大幅に後退したので、後はファンダメンタルズの悪さをプライスに織り込めばよく、過去の企業デフォルト率の平均値などから見れば足許のCDSスプレッドはまだ広すぎるぐらい。銀行も増資しているし、これからデフォルト率の上昇や追加的な貸し出し後退もあるだろう(年初来、ムーディーズ公表の企業デフォルト率が地味にではありますが上昇していますね)が、常識・想定の範囲内。
    • そんなに甘くないぞ派:短期的なリスクとして、ファンド・銀行のデレバレッジや仕組商品投資家のリスクヘッジはまだ続き、相場の重石となる。中期・長期的なリスクとして、景気も悪くなっているので事業会社の収益率は落ち、金融機関関連のサプライズも出尽くしていない。つまり、短期の資金流動性問題は回避できたが資本不足は否めず、今後も貸し渋り⇒企業デフォルト増加は続く。もちろん、既存のコミットメントライン引出しによって銀行の貸し出し負担が増え、ついでに借りた企業もコベナンツヒットの可能性(デフォルトへの道)が高まるというようなルートもある。さらにワイルドカードとして欧州不動産市場など、新たなリスクの顕在化がある。むしろ問題はこれから本格化し、市場参加者のリスクテイク意欲が落ちている中でネガティブヘッドラインは効く。
  • もうひとつの論点として、「どうして既存株主の希薄化リスクが著しく高い増資が株上昇につながるのか?」というのもあります。某レポートで、レバレッジがある程度の水準に達するまではコスト・タックスベネフィットがありレバレッジ上昇は会社価値の上昇(すなわち株高、でもクレジットの価値上昇にはならない)が、高くなりすぎると今度はデフォルトリスクが高まる方が意識されるようになり、株もクレジットもネガティブ評価になる。今起きていることはこの巻戻しで、資本を増強することでデフォルトリスクが低まり、株も価値を取り戻す…ということだという解説でした。現状の株価がデフォルトリスクを織り込んだものであるなら、そういうことにもなるんでしょうかね。
  • で、結局火曜日のNYでは、増資のニュースで前日上昇していたWaMUが下落。増資額は増えたものの(50億⇒70億ドル)、損失が大きく配当も大幅カット。既存株主へのディメリットがあらためて認識されたということでしょうか。Citiは、なんと120億ドル相当のローンをPEファンドなどに売却すると報道されました。もともとLBOのパイプラインが結構問題になっていたのですが、これをエクイティホルダーであるファンドに引き取ってもらうというプランですね。すごい。WaMUへの出資とあわせ、PEファンドの資金に注目がしばらく集まりそうです。いよいよ決算期で、日米共に目が離せなくなってきましたがとりあえずはネガティブヘッドラインが目立ちます。日本の地銀さんも、ちょっと注目ですね。
週央
  • と、そうこう言っているうちにまたクレジットスプレッドはワイドニング基調。いよいよ企業決算がネガティブに出始め、金融機関の損失処理もまた話題に上るようになりました。11月を思い出します。Citiに続いてGSがローンの売却との報道。また、レベル3資産の増加が話題に。さらに、米銀地銀の損失もいよいよ本格化か。木曜日のNYは、失業保険申請数が(季節調整がうまくいっていないのか?)減少したこともあり株堅調、クレジットとんとんでしたが、リーマン関連ファンドの清算ニュース、チェーンストアの売上悪化などあまり良い感じではありません。ま、決算待ちというところでしょうか。
週末
  • 金曜日、日本は不思議な4連騰でしたが、NYは下げてくれましたね。GEの決算が主因とのことですが、「サブプライムの影響は金融だけではない」というコメントが急増しました。なんだか日本の「安定」ぶりが浮上してきた感じですね。社債市場でも、海外投資家がキャッシュ不足に苦しむ中、日本の社債は銀行銘柄を含む大型発行パイプラインを着々とこなしています。
4/4
週初
  • 期末です。日本株は結構下がってしまいました(泣)。金曜日は不自然な感じの上げでしたが、年度末マジックも効かず、前期末・前年度末比のいずれでもかなりの下落。当然、CDSもまたワイドニング方向に戻っています。米国株は少し戻り。しかし、すごい1Qでした。去年の暮れには、1Qにはちょっと戻るかもと漠然と期待していたのですが甘かった。ここから強気に見るか弱気に見るかはずいぶんと意見が分かれている感がありますね。強気派は、これまではよくわからないことが次々に起きていたので不安が連鎖していたが、さすがにもう知らないことで展開する世界ではなくなるだろう、というものですが…さて、ニュースはというとリーマンが30億ドル増資(転換権付優先株)。何にしても4月の商業銀行決算、欧州銀行決算が当面の山ということでしょうか。
  • そんなことを言っているうちに、UBSとドイチェのガイダンスが出ました。いずれもかなり大きな損失。しかし株のファーストリアクションは上昇。エイプリルフールか?というブログ記事まで出るほど謎です!NY時間にリーマンの増資が30⇒40億ドルに増額(オーバーサブ)されると急速に楽観論が広まって欧州・米国共に株は大幅高。期初でリフレッシュというのもあるんでしょうね。
週央
  • 待望の(?)円安。とはいえドルは100円をちょっと超えたところ(注:筆者は為替レートについてはドル中心表記です)ですが、短観が悪くても欧米大手銀行の損失が膨らんでもそんなの関係ない、と言わんばかりの市場堅調ぶり。円安以外に日本株の堅調の理由はあまりなく、やや謎なところもありますが、期初ですし、ね。クレジットスプレッドも恐ろしいほどのタイトニングぶりです(ただしCDSのみ)。ここから本格的な回復が始まる、と考えるにはあまりにもファンダメンタルズの改善が見られず、一方で、unknownsが減っていると考えればその分リスクプレミアムは減ずるはずで、そろそろ危機後の金融市場の姿を予測するフェーズに入っているのかもしれません。メリルが更に増資する必要がない、と言った(CEO)だけで株が上がるってちょっと安心しすぎじゃないかという気もしなくはありませんが。
週末
  • 米国雇用統計を前に日本株はちょっと調整しましたが、その統計はとても悪い数字。マイナス8万人、前月・前々月もリバイスダウン、失業率も5.1%。しかし株はほとんど下がらず。悪いニュースに反応しなくなってきている=底入れ、という説もだいぶ飛び交っていますね。一方日本は取引高が増えていないので本格的な底入れはまだ、というコメントも見かけます。ソロスも買いらしいし、次の大きなニュースが出なければ楽観的に見ておいてよいのかなあ…とぐずぐず迷うところです。
  • CDSは日米欧共に急速にタイトニング。もっとも、米国社債は発行が結構多いこともあってCDSほどは動かず。やはりあのワイドニングの過程では相当テクニカル要因があったと見てよいということでしょうか。サブプライムの夏以降、こういうタイトニングの局面は何度か見たような気がしますがいずれも翌月には趨勢的なワイドニングの波が押し寄せています。今度こそ…タイトニングがトレンドになるか???ポジティブ材料のひとつに金融機関の増資がありますが、WaMUも50億ドル、TPGですね。本邦ノンバンクの株主さんでもありましたね、確か…。日本の社債も急速に需給が回復している感があります。新年度資金とのし状コメントも。
3/28
週初
  • 月曜日、日本株は海外の休み明けで動意に乏しかったのですが米国市場では噂されていたベア・スターンズの買収価格(By JPモルガン)が10ドルに引き上げられ、あわせてFEDの資金供給が担保となるベア資産のリスクに踏み込むもの(300億ドルのうちエクイティ10億ドルのみJPがとり、残りはFED!)で、Buyer of Last Resortという言葉が踊るように。さすがに株価は持ち直してクレジットもタイトニング。火曜日は日本株結構がんばり、米株はぼちぼち。消費者信頼感指数がイマイチだったり、やはり景気懸念はくすぶると思います。
週央
  • 水曜日、配当権利落ち後の売りとやらもあり、日本株は軟調。夜のNYは耐久財受注が悪く、金融機関の収益見通しをアナリストが引き下げたことや新築住宅販売が減少したことで下落。為替も99円を切ってしまいました。まだ不安定ですね。欧州がちょっと弱め(特に金融)なのが気にかかります。LBOの大型案件、クリアチャネルで融資銀行団が融資を出さず、ディールがブレイクしそうとのニュースも売り材料。もっとも、金融機関にとっては不安の在庫が減ったと言うことでよいことなのかもしれませんが(訴訟はあるかもしれないけど)。
週末
  • 木曜日、CDSさらにワイド化。だいぶ戻ってしまいました。株は、海外の流れを受けて・円高100円割れだし、ということで弱め。夜のNYでも2日連続で株が下がり(オラクル決算、原油中東情勢緊迫化で上昇など)、今週前半の楽観的な感じが後退しています。ベアの方がついて落ち着いたと思った投資銀行資金繰り懸念の噂がまた復活する始末(もっともこの件は風説の流布が疑われているようでもありますが)。金曜日は、日本株こそお化粧っぽく上昇したもの(もっともプロのコメントでは、マジに原因不明とのことですが)の、海外はJCペニーが弱かったり金融株があらためて弱かったり。UK不動産市場への注目も結構高くなっているようですね(ポンドが弱い)。期末(海外でも四半期末)のせいか、ちょっと短期金利が上がり気味なのも気になります。金曜日には、もはや株では話題にならなくなりましたがモノラインの一角、FGICがジャンクに格下げ(S&P A⇒BB格)。昨年秋のメリル決算の赤字材料のひとつが、中堅モノラインのジャンク格下げであったことを思い出してしまいます。地方債市場はまだ戻らず、ですし。
  • ここ2、3日の話題としては公的年金のアロケーション。株はアンダーウェイトなのでもう少し買ってくれるようになるのではないかとか、いやいや全額債券だとかいろいろご意見があるようですね。実際には、決まったアロケーション比率を淡々と遵守されるということなのかしら、と思っているのですが…?
3/21
週初
  • どたばたですね。東京市場が開く前に、JPモルガンによる1株2ドル(備忘価格?懐かしい言葉を思い出してしまいました)のベア・スターンズ買収。あわせて、FRBはプライマリーディーラー向けの貸出枠、公定歩合の引き下げなどを公表。この素早さは、それだけ問題が深刻であったことを意味しているのでしょうか。もっとも、為替がするすると100円を切ってしまい and/or まだ不安感が残っているということか日本株はポジティブ材料として織り込みきれず。厳しい展開です。米国でも月曜日は株が大きく下げ、スプレッドも拡大してしまいました。そこまでやらないとダメなほど金融機関は危機にあるのか、ということなんでしょうね。確かにこのどたばたは株からみているとあまりにも唐突な感もあります。2ドルですものね。金曜日まで30ドルあったのに。クレジット(護られる)と株(大幅減価)がこれまでとは逆方向の乖離(株だけ下げ)を見せるかもしれません。
  • 国内の話題として、夕刊紙が地銀・地域金融機関の大幅再編を予測する記事。背景はゆうちょ銀行の設立とされているようですが、国内景気の二極化がどう展開していくかは予断を許さないと個人的にも思います。
週央・週末
  • 今週は疲れたな、とおっしゃる方が多いでしょうね。日本が休んでいる間にも米株価は乱高下。ポジティブは、GS、リーマン、MSといった大手投資銀行決算が「予想比」よかったこと、GSEの追加資本積み増し規制がはずれてリスク資産をもっと買えるようになったこと。ネガティブは、金融機関の追加損失はまだ終わっていないかも、およびCITの信用枠引出しに代表される資金調達不安懸念の燻り。欧州でもモーゲージエクスポージャーの大きい銀行で資金繰り懸念の噂が流れるなど、不穏なままです。日本は100円を切れたドル円水準はやはりきついですし、政治の混乱も主因ではないかもしれませんがサポートにはなりません。サブプライムショックの直接影響が本邦内ではもっとも大きいと考えられる不動産業界で、民事再生事例も出ています。後10日で期末。なんとか平穏に過ぎて欲しいと願います。
  • クレジット市場では、日本のCDSインデックスが一時米欧を上回る水準まで急上昇。歴史的な248bpsまでワイドニングした後、下落に転じています。ファンダメンタルズ(といっても海外要因)はあるでしょうが、テクニカルな動きも多かったんでしょうね。
  • 海外事情のメモ。GSEは、エージェンシー債、モーゲージパススルー債共にスプレッドがタイトニング。ファニー、フレディの株価も若干ながら上昇に転じ、ちょっとほっとしています。もっとも、増資は厳しいとのコメントも多く、予断を許さない状況が続いている感。
  • コネタ系。米国ソブリン参照CDSがちょっとした話題になっています。ドイツソブリンよりワイドなクオート。これは結構哲学的な話題なんじゃないかなあ、と勝手に話を膨らませてみますと、まず「誰がプロテクションの売り手になりうるのか」「誰がプロテクションを買っているのか」という技術的な問題と、「金融市場における米国覇権がついに終わるのか」という今は結論の出ない問いがあります。前者については、(おそらく)米国ソブリン(国債を含む)がデフォルトすることを真剣に考えてプロテクションを買う人がいるのかという質問を受けることが多いのですが、米国向け(民間を含む)与信のカントリー枠の超過分エクスポージャー削減を迫られている金融機関などが存在する可能性はあり、また、短期的なトレーディング玉もあるでしょう。問題はむしろ誰ならプロテクションの売り手になれるのか=誰が米国の支払いを保証できるのか、ということだと思います。通常、プロテクション売り手は自らに十分な信用力がある(またはよい担保を提供する)、かつ自ら(もしくは担保)のデフォルトが参照組織のデフォルトと高い相関を持っていない人でなくてはなりません。果たして米国ソブリンを参照にしたときに、このようなカウンターパーティー(もしくは担保)があるのか?それこそドイツ国債担保取引ということなのでしょうか。また、米国覇権の終わり(すくなくとも変調)を象徴するイベントなのかどうかということについてはまだ結論には早いのですが、それを予感させるイベントの1つであると個人的には考えています。
3/14
週初
  • カーライル・キャピタル(PEファンドで有名なカーライルの傘下ファンド)でMBS(しかもエージェンシーと言われていますが)レポの追証が払えず取引デフォルト。ついに資金繰り懸念がこの担保まで広がったか、という展開です。
週央
週末
  • 金曜日のNYでは、ベア・スターンズにJPモルガン経由のFRB資金が入るということで、いったんは株価の反発もあったものの資金繰りが過去48時間で大幅に悪化したという会社コメントを受けて下落。ベア・スターンズの株は、約50%ダウンの30ドル。同様にモーゲージハウスでありかつレポ資金調達割合の高いインベストメントバンクや、スポンサー候補と言われるJPモルガンの株まで下がる展開に。金融機関の流動性危機は本当に怖い、というのは個人的な経験(90-91年の米商銀)による感想ですが、厳しい状況です。プライムブローキング、デリバティブを通じた波及は以前の比ではないでしょうし。もっとも、ベアの救済策がまとまり、FRBのプライマリーディーラー向け与信拡大や、先に発表したMBS受入れ策といった波状対応で少しポジティブも見えるかも。 その他のニュースも書き留めて置きます。金曜日、東京ではあしかが銀行の受け皿として野村証券グループ決定。
3/7
週初
  • ワイルドなオープニング。週末の米株急落、円高大進行と来てはしかたがないのでしょうが、それにしても大きな下落。私としては、これ「バーナンキショック」と呼びたい。税金をつぎ込みたいのかどうかは知りませんが、銀行が危ないと言われればやはり不安は広がると思います。ドルも安いほうが良いとの仰せ(不況の輸出!)ですし。CDSも、いったんは落ち着いたレベルから急拡大ですね。バーナンキをはじめとする米国FRBのお偉いさんたちからは相変わらず先行き見通しの悲観的なコメントが続出。もっとも冷静なスピーチだと思われるKohn副議長は、銀行はみんな十分自己資本があるので大丈夫といいつつ、リスク要因として個人向け信用に加え、「商業用不動産」をリストアップ。折からのヘッジファンドアンワインド騒動も手伝って、CMBX(商業用不動産担保モーゲージローンの証券化<CMBS>を参照するCDSのインデックス)スプレッドも拡大の一途。シティの損失見通し拡大で中東株主がもっと増資が必要と言ったことを受けてシティ株は下落、AIGの巨額損失やRMBSを中心とするヘッジファンドぺロトンの破綻(先週末)に伴うポジションクローズ(ABX)、住宅ローンモーゲージREIT(オリジネーションもするけどBankではなくREIT形態)のソーンバーグモーゲージがリバースレポの追証を払えず、株価が急落していることも話題に。地方債スプレッドもここ10数年のチャートでは最ワイド(南北戦争以来、というコメントをどこかで読みました)。ネガティブには事欠きません。因みに、ソーンバーグのレポ取引相手はJPモルガン。
  • 国内ネタ2件。あまり大きく見えないかもしれませんが、引きずる可能性あり。その1:するがコーポでコンプライアンス的な問題。するがだけではなく、他の新興不動産でもクレジットスプレッド急拡大。不動産大手では住友不動産のスプレッドが拡大基調で株価も不調と、ノンリコ&私募ファンド不芳の影響が心配されるところにこのニュース。3月末を控えていますので、資金繰り問題に発展しないとよいのですが。その2:武富士ディフィーザンススキーム失敗。SIVシニア債を担保資産の一部としたCPDO債だったようですね。AA格以上であれば安全資産とみなしてディフィーザンス(オフバラ化)できるという原則ですが、ここでもまたサブプラ直撃。300億円というのは武富士のサイズから言えばたいしたことはないと思いますが、「驚き」と「ほかの会社のディフィーザンス(結構ある)は大丈夫か?」という不透明感の波及が心配です。
週央
  • 株はぐずっとしていますがクレジットはまだ拡大基調。Ambac増資がうまくいくかも!という期待感でちょっと戻しましたが、実際に出てきたのは10億ドル(普通株公募)+5億ドル(優先株転換出資証券)。10億ドルがいくらもう売れているというCNBC報道があったとはいえ、もっと「親密金融機関が名前を出しつつどーんと助けてくれる」と期待していた向きにとっては株価の失望売りも無理はないかもしれません。GSEの資産増加OK報道以来ちょっと持ち直していたGSEパススルースプレッドも急拡大。 年初来急に話題に上るようになった米国地方債では、カリフォルニアの何とか市が倒産(チャプター9)を回避したものの、アラバマの郡で危ないところがあるらしい。テクニカル(短期化スキームの破綻)、モノラインだと思っていた地方自治体クレジットが、税収減という評価にさらされるようになってしまうと…広がる懸念がありますね(涙)。
週末
2月29日
週初: (後でアップします)
週央: 株もクレジットもちょっと持ち直しましたが、マクロは怪しい。アメリカの経済指標も全然だめ。こういう一時の上昇は、あとから振り返って絶好の売り場だったということになるんでしょうか。夏の売りが流動性相場なら、今の市場はもっと本質的な問題の広がりという気がしますので、そう簡単には戻らない。長短ミスマッチ、レバレッジスキームの解体が行き着くところまで行かないとだめ、ということで今見えているだけでも「地方債」「残りの証券化・クレデリスキーム」「いくつかのヘッジファンド」「モノライン」が綺麗になる必要がありそうです。もっとも、こういったレバレッジスキームが本格化した03年半ばの水準は、すでにクレジットスプレッドは突破しているんですが…ネガティブな勢いがついてしまっているのだとすると、ここからは本当に倒産確率の問題になりそうです。今の水準では、大手企業の10%以上倒産を織り込んでいる(アメリカ)ので、それはあんまりだということになれば平均値―3〜4%程度に対応するスプレッドに戻ることになります。悪材料が出尽くせば、ということですが。。。
週末: 壊れましたね、マーケット。B議長発言<中小銀行のfailureを示唆>はやはり大きく尾を引きました。AIGの巨額デリバティブ損失も、案の定材料になってしまいました。ものラインについては格付機関の「ショウ」が続いていて、市場懸念を踏まえて増資を要求はしたものの、そこそこのところでAAA格を確認するという中途半端振りでしたから、まあこれだけで長期的な懸念を払拭するというのは無理ですよね。それにしても、目を配らなくてはいけない市場が広がりすぎて、く、苦しいです…
2月22日
週初: アメリカ月曜休場。でちょっと一息、皆でニュースの整理。週末は、ノーザンロックの国有化、モノライン分割案、まだ続く米国地方債ARSのフェイルとすでにおなか一杯のところに、CPDOのアンワインド、SIVのシニア債デフォルトの可能性(ウィッスルジャケット。スタチャンがスポンサー。Administration−法的手続きに移行)まで出てきました。そして日本では火曜日に株がだだ下がり。不動産が妙な動きで、ついでにKKR傘下の運用会社のCP延長交渉とクレディアグリコールの損失(フランス最大)、前日のCSFBの「ミスプライス」損失などを材料に金融株も下落。それにしても気前よく下がる。やっぱり、テレビコメントが「ここで底入れ!」となると売りが出ますね… CDSは、日本でもついに99bpsと三桁が視野に入っています。ヘッジファンドのプロテクション買い発動だそうですが… まだ行くのか。
週央: (後でアップします)
週末: 日本株は金曜日に結構大きく下げ。(後でアップします)
2月15日
週初: 日本が3連休している間に、世の中のメディアで見ることができる為替とか株とかは大して動いていなかったので油断していたらクレジットがぶっ飛び。AIGのCDS評価についての監査法人疑義ということで、損失見込みが大幅に拡大。というか、内容を見てみると9月末の10Q開示以降、マンスリーで損失額を膨らませているのは他社も同じなんですが、最終11/30日付で、びっくりするような修正を施し、60億ドル程度のグロス損失を4分の1程度のネット損失で計上している。実は言いたいことはわからなくもない修正なのですが、そういう開示でよいのか?というところ。どんなCDSをもっているのか内容がよくわからないのですが、開示されているだけでもモノライン一社以上のCDO関連エクスポージャーがある様子。AIGといえば、高格付スワップカウンターパーティーとしての存在感も大きく、モノラインと並んで玄人にはショックな銘柄ですね。もっとも、モノラインとは違って非金融分野が大きいので、そうひどいことにはならないと思うのですが(祈るような気持)。
CDOのリクイデーションニュースも続きますね。スタチャンスポンサーのSIV(もともと直接設立したわけではないのでリモートという噂もあった)ウィッスルジャケットへの支援打ち切り、ACAの証券化ポート売却(こちらは引き取り手がまとまってあるご様子)。株はちょっと小康ですが、またショックウェイブはありそうですね。WSJ(2/12)には、どの程度事実がわかってんのか不安な書き方ではありますが、UBSとワコビアのローンポート(CLOの間違いか?)売りの話が。マーケットコメントを呼んでもCPDOの崩し売りというフレーズが目立ち、インデックスにせよビスポーク(仕立物)にせよ、リスク売りが出てるのかしら、という感じですね。

日本では、株式市場でデイトレーダーを馬鹿呼ばわりしたMETIの次官さんがバッシングにあっていますが、とにかくファンダメンタルズを見ていかないと足下を掬われそうで怖いです。なーんていっているうちに、月曜日に大証上場のマンション関係、グレースが破産。帝国データの記述を読むと、破綻マンションデベロッパーなどを買ってグループを拡大し、グループ会社内で資金を回していた雰囲気が。
週央: 2/14日朝、日本のGDPが超強い。株はこれを受けて上昇しました。アメリカのリテールセールスも悪くなかったし、とにかく景気の行方に一喜一憂(ただしい展開)。
週末: モノラインは分割案があちこちに出ていますね。地方債アームにはバフェットもいるし公的資金もつきやすいでしょうが、分割されるようなことがあればtoxic wasteと呼び捨てられるようになってしまった証券化部分はヤバイですね。2/14日には、ムーディーズがFGICの格下げを決め、ついに大手に波及してきました。 一方で、地方債市場ではARS(Auction Rate Securities)のオークションフェイルの話題が。地方債市場は、2.1兆ドルのうち約5%がもともと短期債ですが、実際にはARSやTOB/VRDNといった仕組みをつかって1兆ドル相当を短期化して売りさばいているという構造です(もっともARSはTOBなどのようにMMF適格になるスキームではないようです。このあたりはちょっとマニアなので本ブログでは省略★)。そりゃ、流動性危機がある中では維持不能ですね。まあここはあっという間に政治問題化すると思うので、国際金融市場への波及はあまり心配していません。どっちかと言えばヘッジファンド不調の噂が相次ぐことのほうが嫌。2/15WSJの孫引きでは、シティの関連社債ファンドで運用資産5億ドル(約540億円)相当の30%超を顧客が引き揚げようとしたため解約凍結(すでに資金支援をやっているファンド)。
特に新しい材料ってわけではありませんが、あまりに印象的だったので記録。日本航空の増資1500億円程度はオールジャパン奉加帳の様相を呈しており、報じられているのは日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、 三井住友フィナンシャルグループの主力4行のほか、事業会社では三菱商事や三井物産、双日、丸紅、 伊藤忠商事、住友商事の商社6社と新日本石油、ジャパンエナジー、出光興産、コスモ石油の石油元売り4社。商社・石油というところが凄いですね。皆で支えようナショナルフラッグ。
2月8日
週初: 週初の日本は週末の米国を受けて上昇。しかし、ここ2,3日のコメントが「モノライン」主導なのには何の関係があるんじゃ!と突っ込みを入れたくなりますね。海外では、株がなんだかもっちゃってますが、ローンサーベイは本当に悪い。商業用不動産関連、クレジットカード、… 。月曜の株式市場は、アメックスやキャピタルワンの株価見通しが格下げになり、新聞やブログにはクレジットカードがやばい、という記事が出始め。リテールクレジットと商業用不動産が次の天王山ですね。の、登りたくないよぉ。
週央: 米国ISM大ショック。こんな急激な悪化というのもすごいですね。公表者自身が目を疑ったとのことですが、ついにリセッションの気配が。しかし、これも「センチメント指数」ですよね。ハードデータはたいしたことないといいつづけているうちに、景気の気は気分の気、という落ち方をしてしまうのでしょうか。ロンドン在住の方にお話を伺うと、年明けから急に雰囲気が悪くなった…とのことですがまさにそんな感じが数字で見えてきています。だから…雇用統計をしかとしちゃいけないって言ったのに、案の定こーいう売りセッションを招くことになっちゃいましたね。本来(?)ならのんびりスーパーチューズデイ野次馬でもしていたいところでしたが、もはやそんな余裕はありませんな。株急落、スプレッドワイドニング、モノライン・CDOはFitch先導で格付見直し方向。ネタ:バージンがノーザンロック救済、同時期に宇宙旅行計画も発表したとのことで、エコノミスト(英)のポッドキャストで「リチャードブランソンが火星に宅地開発するなら、当然モーゲージ会社が必要だしな」とコメントされていました。それほど、今のビジネスラインとシナジーがないように見えますが…
週末: ていうかもう勘弁してくれ!といいたくなるような東証のシステムトラブルで、TOPIX3月限が前引から取引できず。システムトラブル=売り、というのと、噂されていたまとめ買いができなかったので下押し、というのと両方あったようですが3連休前の日本株は安く引けました。週末..どうか悪いことがおきませんように…
2月1日
週初: 日本株は下げ。アジア株が下がって、米国下げ以上に下押ししたイメージ。月曜日に必殺利下げ期待で米株が戻ると、火曜日には日本株も戻し。クレデリは、日本ではだいぶもどりましたが株が不安定な分ちょっと足踏み感。欧州系金融機関決算、モノライン救済の具体策など、ネガティブ・ヘッドラインのリスクがたくさん。
週央: 米株は火曜日も上げましたが水曜日の日本株は結局ダウン。金融機関の「サブプライム」損失が追加的に出始め、金融系が株もクレジットもキツイ感じ。特に、損害保険会社はあいおい損保の損失ニュースもあり、CDSスプレッドワイドニング。FRBは「予定通り」50bpsの利下げを決め、日中で米株は上がるものの「フィッチ」による「FGIC」の格下げごときのニュースで結局下がって引け。フィッチですよ。FGICですよ。どれだけモノラインのヘッドラインに神経質か、ということですね。やはり、メリルの開示以降、金融機関がモノラインから保証を買っている残高が大きいというイメージが抜けないということなんでしょうが、それにしてもやや騒ぎすぎの感はあります。エコノミストのポッドキャストを聞いていたら、もはやバーナンキよりも注目されるNY州保険局長Eric Dinnallo(これまで誰も名前なんか知らなかったのに)という表現が出てきました。証券化商品の格下げも続行。欧州では、UBSが巨額の追加損失140億ドル。BNPも減益ですが、さほどのことはない(ほんとか?)ということでSocGenの救済主とのコメントも。
週末: 木曜日の日本株上げも意味不明(市場コメントには「お化粧」という用語が飛び交いましたが)でしたが、米株の上げはもっと意味不明。モノライン決算で、数字は悪かったけれど経営陣が「先行き大丈夫」と言ったからといって、なぜそれを信用して上げることになったんでしょうか?クレジットはワイドニングしたまま高止まりで、こっちの方が正解に見えます。そしてなぜか日本株はモノラインの先行き不透明を理由に売り。米国雇用者統計が予想比大幅下ぶれの▲1.7万人でも、モノライン救済銀行コンソーシアムの噂や、マイクロソフト⇒ヤフー買収観測などで株は上ぶれ。
1月25日
 
週初: 月曜日アメリカ休場の間にアジア、欧州株下げ。日本も。火曜日にはFRBが緊急利下げ(しかも0.75%)を行うが、やっぱり下落して引ける。バンカメ、ワコビアの決算は予想より悪いと言う評価で、サブプライムもさることながらやはりリテールが悪い。中東のシティへの出資がキャンセルされるのではないかと言う噂さえ出てくる。市場はあっという間に1/30日FOMCでの追加50bps利下げを60%織り込み。
週央: 水曜日には、日本を含めたアジア株が戻し、クレジットスプレッドの急拡大も止まってちょっと戻す。火曜日のCDSメイン85bpsが当面のトップとなるか?アメリカは火/水と株がイントラデイで乱高下しており、水曜日も大幅マイナスでスタートした後自律反発して、最後にモノラインニュースで押し上げ。NY州当局がモノラインへの出資を銀行に働きかけたというヘッドライン、当面50億ドル、最大150億ドルのcapitalをコミットするように要請したという報道ですが、所要は1社10億ドル程度、という話じゃなかったんでしたっけ?本当はこんなに必要だったのね??銀行が出してくれないということになればとってもマズイ展開が待っているのでは…「緊急利下げが必要なほど景気が悪い」という見通しを、株・クレジットがどのように消化するか… セリングクライマックスと見る向きもあるのですが、当面は不安定ということなんでしょうか。金利も大きく動いています。
週末: ブッシュ大統領の経済政策プランを好感するかどうか?大ショックのソシエテ・ジェネラル単独トレーダー7600億円損失をどう見るか?Soc Gen(ソシエテ・ジェネラル)の話は、タイミングが悪すぎですね。あんまりです。ベアリングスにしたって大和銀行にしたって住友商事にしたって、この手の話は普通個社の問題なんですが、今回は金融セクターが駄目!という大懸念の中で起きてしまい、かつユーロ高なので損失規模がとても大きく見える。困ったことです。個人的には、週末日経新聞の一面を飾った信組資本注入の話がひどく気になっていて、小型企業倒産件数の上昇がボディブローのように効いてくるのではないか…という恐怖があります。
1月18日
 
週初: 日本は月曜日祝日。金曜日→月曜日と、米株は大きく下げて少しもどし(IBM好調)、火曜日でまたクラッシュ(金融機関、場外でインテル、リテールセールス)。シティが大幅損失、サブプライムに目が行きますが国内リテール関係も損失なところがさらに不安。シティ、メリル共に増資発表で、メリルにはみずほCも新株主として含まれています。今週はマクロ経済指標、決算(金融機関)と材料がとても多いです。為替でドル安。ポンド円がクラッシュ気味。欧州も少し不安。ドイツZEWが−41.6で過去15年間の最悪。バルチック指数下落。UKは利下げかそうじゃないのか?リテールも悪い決算が見えている会社あり。
週末: 18日にFitchがMBIA格下げ、SP・Moody’sの格付見直しも出てきてモノライン・ショックの様相。
1月11日
 
週初: 米株下げを受けて日本株も下げのスタート。円高目なのも厳しいところ。米国のクレジット市場レポートは、「今年のデフォルト率はどこまで上がるか?」というヘッドラインが目立ちます。スプレッドは株安に連れてワイドニング、そして高止まり。サリーメイのLBOが難航していて、これも不安定さを演出。火曜日にはさしたる理由もないのに米株が再び下落(カントリーワイドのチャプター11噂、ATT弱気発言、金融株軟調)でクレジットスプレッドも終値ベースでのワイドニング基調を継続。
週央: バーナンキスピーチ(10日)を待ちつつも乱高下する株価。これに対して、欧米クレジットスプレッドはワイドニング一辺倒(一日の中では上下あるようですが、締めてみればワイド化...)。フレディマックの財務格付見直しとか、CPDOの格下げとか、細かくネガティブ材料はいろいろ。米銀の要管理債権額も増えているようですし、与信基準の厳格化は当然デフォルト率の上昇につながるでしょうし...うーむ。
週末:G議長講演が「利下げに前向き」と解釈されて株・クレジット反発。だ、大丈夫か?大雑把には、ついに消費にきたか=リテールセクターの不調、が気になりますが、マニアなニュースも拾っておきましょう。
  • ブラックストーンがディストレスファンドマネージャーGSOを買収(ついにここに商機があると世界最大の目利きが判断したんですね)
  • サリーメイの資金繰り(LBOがうまくいかず、JPとバンカメから借りているブリッジの金利ステップアップが2月半ばとの報道)、ベアスターンズの3つめのファンド破綻(Bear Stearns Asset Backed Securities LP)
  • シティ・メリルの追加増資(またもやアジア・中東資金と言われており、しかもシティは前回より金額が大きい)
  • ムーディーズが米国ソブリン格付がAAA格を維持できない可能性を示唆(社会保障費負担が理由でそれは納得がいくのですが、格付会社への風当たりが強い中で勇気ある判断ですね)。
  • カントリーワイドは、破綻OR大幅格下げの噂が出た翌日にバンカメによる買収の噂→後、実際に買収を発表してカントリーワイドのCDSは大幅タイトニング。FTでは、FHLBが貸し込んでいるので破綻はしないだろう、との社説。
1月4日
 
キツイ新年の幕開け。日本が休みの間に米国ISMで米株大下がり。クレジットスプレッドもワイドニングし、円高進行。そのついでに1/4の日本株市場は米国以上に下げてしまうが、その夜雇用統計が悪くてさらに米株下げ。嫌な展開です。原油も地政学リスクを主たる理由として100ドルを日中につけ、終値も高止まり。個別材料としては、ウォーレンバフェット(バークシャーハサウェイ)が、既存モノラインの救済ではなく自力でモノライン業務(地方債保証のみ)に参入するとのニュース。既存モノラインは株下げ。


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